ノベルズ読書日記その1

晴夜が読んだ本の感想を書いていきます。
評価は4段階  S=最高!! A=良かった B=イマイチ C=さいてー
基本的にネタバレありなので、ご注意ください!

2002/9/09   評価 A(B寄り)
猫背の王子 中山可穂 集英社文庫

劇団の主催者であり主演女優であり演出家である王寺ミチルは、現在次の芝居に向けて稽古中だ。だが、本番を3週間後に控えた時期になって、突如看板女優であるエリカが劇団をやめると言ってきた。それだけではなく、ミチルを陰に日向に支えてきた制作の姫野トオルも、これまでとは違った不穏な動きを見せていた。これまで5年間、ミチルとともにあった劇団の終焉がこのような形でやってきたのだ。
まさか片腕とも思っていた仲間に裏切られるとは思っていなかったミチルは、最後の舞台に全勢力を傾ける。

  25歳で劇団背負うなんて無理なんだよ、という作中の科白が印象的だ。
  そうなのか。私は芝居が好きでよく見に行っているが、ある意味芝居をやる側の内情がつづられていて興味深かった。
  中山さんの本は3冊目だ。今年に入ってから読み始めた。
  この「猫背の王子」は彼女のデビュー作である。作者プロフィールを読んでも演劇をやっていたと書いてあるし、いやでもミチルの姿とだぶる。

  女性同士の恋愛を描くこの人の作品はどうにも魅力的だ。私はまた読んでしまうだろう。
  この「猫背の王子」は、そうはいっても恋愛小説ではない。ミチルの女たらしぶりは際だっているが、この調子でミチルの恋愛を描かれたら、結構読むのがつらかったかも知れない。
  「サグラダ・ファミリア」も「感情教育」もそれなりに一途な恋愛なので良かったが、ミチルの場合、自分のことが一番好きで、他の女の子達は自分以下であるから、(いくら由紀さんに片恋とはいえ、やっぱり自分が一番だろう) そのプレイボーイ(ボーイじゃないのか)ぶりが鼻についたかも。

  しかし、ミチルは何故こうももてるのか。二股、三股かけられていることをミチルの恋人達は知っているわけだから、刹那的な恋愛なのかなあ。よけいに淋しい気がするのだが。
  とはいえ、こういう劇団があったら、私も見に行きそうだな(笑)。それで役者である彼女にはまりそうだ。作中に「背中には自信がある」という科白があったが、その背中に参りそうだ(笑)。

2002/9/07   評価 C(B寄り)
天帝妖狐 乙一 集英社文庫

中編2本収録。
「A MASKED BALL」:学校のトイレの個室で煙草を吸っていた主人公(高2)は、ある日その壁にあった落書きに気付く。いつしかその落書きは、顔も名前も知らない5人のコミュニケーションの場となっていく。そこでは学校での噂や自分の悩みなどが語られていたが、「アキカンガオオスギル」という落書きの後で校内の自動販売機が壊されるなどの事件が起こり、主人公は段々と怖くなっていく。
「天帝妖狐」:子供の頃一人でこっくりさんを行ったことで霊にとりつかれた少年は、その霊との約束により、だんだんと体の一部が壊され違う物体・違う骨格となっていく。自分が人間でなくなってしまうことを悟られることを恐れた少年は、包帯で体を覆い、家を出る。数年が経過し絶望しきった時、彼は親切な女性に出会い、世話してもらった働き口で労働の喜びを知るのだが。

  前者は大変後味が悪かったです。
  トイレの落書きを通してどこの誰とも知らない5人が会話を交わす、というのはインターネットをすぐに連想させ、面白いと思ったのですが、本筋である事件がよくない。
  なぜ、掃除のおばさん(描写からすると老婆である)が、吸い殻を捨てるという理由で教師の車をぼこぼこにしなければいけないのか。描写によると、短時間で完膚無きままに叩きのめすことになるのだが、老婆でしょう? 無理じゃないの? しかもそこまでする理由が「吸い殻」ってのは無理がないか? さらに、夜中に学校で女性教師を昏倒させ、女生徒を襲う理由がわからない。
  最後も別に捕まるわけではないし。
  確かに読んでいて、犯人は見えないし、トイレの落書きは面白いけど、肝心の事件の真相が藪の中、犯人の犯行に無理があって、さらに犯行の動機が不明、罰も受けないんじゃ釈然としません。

  後者についても、ほとんど同様で、こっくりさんで霊が降臨というのは面白い着想だし、体の契約をしたり、精神的にも人間性?が失われたりと、この後どうなるのだろうとどきどきしたけど、結論がないんだよ。いや、ある意味始まりも終わりもない、と言ってもいいかもしれない。
  結局、何が書きたかったのだ。主人公は不幸だ、だけで済むことなのか?
  両作を読んで思ったのは、この作者はストーリーを転がすことに関心が高くて、例えば人間の心理描写みたいなことにはあまり興味がないのかも、ということでした。
  解説で我孫子武丸さんが大絶賛してますけど、何故?って感じです。

2002/9/05   評価 A
碧空 長野まゆみ 集英社文庫

高校生になった凛一は、京都の大学に行きフットボールに励む氷川への想いを抱えたまま、華道(天海地流)の次期家元への道を歩んでいた。凛一が写真部の暗室で現像の作業をしている時、心臓に疾患のある三年生・有沢と出会う。何もかもに対して斜に構えたような態度の有沢に、凛一は反発しながらも次第に惹かれていく。「白昼堂々」の続編。


  どうにもこの世界が好きです。
  古式ゆかしい日本の文化・風土を表すような文章が、美しい映像となって目を楽しませます。言葉も美しく耳馴染みがよいです。
  そして、これこそリアリティ欠如しているけど、登場人物が儚げで繊細。

  1冊目の「白昼堂々」よりも、こっちの方が好きかも知れない。
  特に良かったのは、京都で、凛一が事前に知らせずに氷川の住むアパートへ行き、いつ帰って来るかも知れない氷川を表でずっと待っているシーンです。
  二人の事情を知る女の子に、氷川に会いに来るなみたいなことを言われ、更にいきなりの大雨。泣きっつらに蜂とはこのことです。
  その、待っているところは、凛一の視点で書いてあるので、通りゆく人の足音や雨音などが描写されていて、それを読むだけで、不案内な場所であてどもなく「待つ」側の心理である心細さが増幅され、こっちまで泣きそうになってしまいました。

  私のお気に入りのキャラ・千尋は相変わらずかっこよかった。
  私はもう本当に、どうにかして千尋を主人公にした小説が読みたいです。凛一の父親(故人)とのめくるめく禁断のロマンス希望。だって本編に回想シーンもありゃしないんだから。
  常に余裕をかましている千尋が、そのことに触れると一瞬素に戻るというのも良いです。
  3冊目「彼等」も早く文庫にならないかなあ。

 
2002/9/03   評価 A(S寄り)
熱氷 五條瑛 講談社

石澤恒星はカナダで活躍する腕のいい氷山ハンター。船で北極圏まで出向き、ライフルで氷山の一角を撃ち、崩した氷の一部をミネラルウォーターの会社に売るのだ。少しでも狙いがはずれると、氷山全体が動いてしまい、その影響で船が波に飲まれるという危険を伴う仕事である。
ある日、石澤は訃報を受け取る。仲の良かった姉の急死に驚き、10年ぶりに日本に帰った石澤を待っていたのは、姉の忘れ形見である光晴(8歳)だった。


  いつもの五條さんとは異なる作風です。
  ある意味、正当派とも言うべき小説? でも五條さんらしさは爆発。ぐいぐい引き寄せられながら読みました。
  私にとって、五條さんの一番の魅力はキャラクターです。
  (キャラの魅力が一番なのではない、とずっと思っていましたが、ここに来てやっぱり一番なのだろう、と認識です。もちろん魅力はそれだけではないですが)
  生命を吹き込まれたようにちゃんとその世界に生きている。そして、キャラがなにやら色っぽい(笑)。
  この「熱氷」でも、色気のあるキャラがたくさん出てきました。主人公の恒星、純、真矢、荻原、野村、マモル、スワロー、グース、……たくさんいすぎて挙げるのが馬鹿らしくなってきた(笑)。
  ただ、この色気は、男性には分からないかも知れない、と思っているのですが、どうなんでしょうか、男性読者さんは。女性からみた色気が凝縮されているような気がするんですよね。
  恒星のくわえた煙草に純が火を付けるとか。なんなんでしょうね、この色気は。
  (それとも、特定の人種(当然私含む)に特有の症例みたいなもんでしょうか。普通は反応しない所に過剰に反応する、とか……。はあ……)

  キャラの色気を熱弁していても仕方ないので、本題へ。
  まあ、結果的に言うと、「テロリストの系譜」はずるいなあ、と思ってしまったのですが(笑)。
  それもまた技というか。でもラストで話の全体が分かっても、ずるいとは思いこそすれ、がっかりはしなかったので、力のある作家さんだと思いました。
  最初から引き込まれ、どうなるのか先が見えない。(白夜行ほどでないにしろ)
  ページ数の関係からか、鎌倉と野村があっさりし過ぎているようにも思いましたが、仕方ないですね。
  ラスト、石澤が標的を狙うシーンはとても良かった。映像が見えました。
  演出が心にくく、映画のようです。ますます五條さんのファンです。

  もちろん、展開からして続編はないのでしょうが、この後、みんなはどうなるのか気になります。
  特に、グースの恋路は!! いや、本筋とはいっさい関係ないんですが(笑)。
  この本、手に入れるのに苦労しましたが、その甲斐ありました。

 
2002/8/28   評価 S
白夜行 東野圭吾 集英社文庫

1973年、廃墟のビルの中で一人の男の死体が見つかった。警察の調べでその男は質屋を営んでることが分かる。早速店に事情聴取に行くが、妻子と雇われ人の3人にはアリバイがあった。その後、捜査が暗礁に乗り上げかけているとき、殺された男の愛人と見られる女性も事故で亡くなってしまう。


  とにかく、章ごとの事件・流れは分かるんだけど、話全体の大筋がまったく見えず、一体これらの事件はどうつながっていくんだ、亮司と雪穂はどこでつながるんだ、とかなりやきもきしながら読みました。最後の方で笹垣刑事が登場した辺りから、過去と現在が少しずつつながっていきましたが、読者である私は大筋を知りたい、でもストーリーの中では二人に逃げ延びて欲しい、二人の罪に誰も気づかないで欲しい、と願うようになりました。

  ラストの切ないこと。
  二人の心の空洞が見えるようでした。小さい時から現在までの個々の事件を通して語られてきた様々が一本の線につながって、なんて淋しい人生なのだろうと悲しくなりました。
  それだけに、この二人はお互いがお互いを大切に思い、生きる支えとなっているのでしょうね。
  二人とも、別の場面で「自分は白夜を歩いている」という表現を使っていますが、どんなに稼いでも他人には栄光に見えても、それが本当の昼間でないことは分かっている、という。そして夜(闇)を照らす太陽が相手を指していることは明白。
  人を殺し、人を傷つけ、友と信じてくれる人を裏切り、他を信じることができない。
  そんな二人だから、お互いを信頼する心が強いのだろうと想像できます。

  それでも、この二人が会話するシーンって、ないんですよね。
  二人は全く別の人生を生きていて、その接触する場面というのが描かれていない。
  その手法も心憎いけど、それだけに、二人の絆の強さが伺われます。
  私は、笹垣刑事の言葉から連想して、子供の頃の二人の様子を勝手に想像し、泣きそうになりました。(↓以下妄想(笑))
  図書館で会い時々話をする、小学生の亮司と雪穂。
  亮司が愛用のハサミで得意の切り紙を披露すると、大喜びする雪穂。
  このとき二人は、普通の子供と同じように、気負わずに素でいられたのではないかな。
  亮司が自分で作った切り紙を額に入れて自室に飾っていたけど、それは雪穂に初めて見せた切り紙だったりして、二人の思い出なんだろうな、と邪推してます。

  最後、描かれていないけど、雪穂は命を絶つだろうか。
  もし命を絶つにしても、身ぎれいにしてから、だろうな。
  でも、女というのは現実的だから(笑)、男を追ったりはしないかもだな(笑)。

  それにしても読みやすい文章ですね。
  この量(850ページの文庫本。かなり重いです) なのにちっとも苦にならない。(いや、重いので手は痛いですが)
  東野さんの本は以前2冊ほど読みましたが、それらは両方とも文章が読みやすいだけに先も読めてしまってイマイチ面白味に欠ける印象でしたが、「白夜行」は全くそんなことありませんでした。

2002/8/16     評価 B
プラハの春 上下 春江一也 集英社文庫

チェコスロバキアの日本大使館で働く外交官・堀江亮介は、休暇を利用してウィーンでオペラを楽しんだ帰りに、車のエンジンがかからなくて立ち往生している女性とその娘を助ける。美しいその女性に心惹かれながらも、外交官という立場から一線を画す堀江。
後に、その女性がDDR(東ドイツ)の活動家でシタージ(DDRの特務警察)につけねらわれているカテリーナ・シュナイダーであることを知るのだった。
1968年のチェコスロバキアで起こった経済改革・自由化を求める反共産主義運動「プラハの春」を、主人公の恋愛を中心に描いた小説。

  東欧の歴史をまったく知らなかったので、読むのに結構苦労しました。描写一つひとつがよく分からなくて、何度か戻ったり。上巻に至っては、425ページまで読んでおきながら、そこで一旦挫折。もう一度始めから読み直す、ということまでも……。私、馬鹿じゃなかろうか……。史学科なんでしょう?と追い打ちをかけられそうだ。
  まず、社会主義ってなんだっけ、からスタートする私の頭(泣)。読み終わった今でも今ひとつ理解できていませんが、本来の「社会主義国とはこうあるべき」というプロトタイプから、だいぶはずれてきて(ファシズムに流れている?)とにかく暮らしにくいので、本来の「社会主義」に戻ろう、もっと言論の自由を、とそういう運動だったわけなんですね? それが、周辺の社会主義国の政治家(=権力者)からすると、その運動は非常に歓迎されざること。要は、その運動の趣旨が「本来」「正当」であることはよく理解しているわけです。だけど、その考え方が受け入れられると自分たちの権力の座が危うくなる。誰も自分の首を自分で絞めたくないわけで、そこで自分の国民には今チェコで何が起こっているかという正しい情報を知らせず、(反社会的運動、と触れ込む) 軍を派遣してチェコの国民を殺していく、と。わかりやすい図式ですが、とんでもないことですね。
  これが「プラハの春」って言われていることなのかー、と読んで初めて知ったような体たらくでして……。本当にお恥ずかしい。(上記の解釈も間違っているかもしれない。どうにも自信がない)

  個人的好みを言えば、上記の激動をもっと中心に据えて描いてあれば(たとえるなら司馬遼太郎的に、とか)、面白かったでしょうか。この本は恋愛7:歴史3なんですが、この割合が逆の方が私は好きですね。
  堀江とカテリーナの恋愛は、特に興味もそそられなかったのでした。恋愛を中心にするなら、ラインハルト(カテリーナの夫)を出して、どろどろ三角関係にしちゃうとかすれば……それも読んでいて濃いかぁ……。
  上巻を2回読み返すほど苦労したこの本ですが、下巻でプラハの街に戦車が入ってきたくらいから加速がつきました。

  まったく本筋と関係ないですが、下巻のp.59-61の3ページ(実質は1ページ半位)に登場した、東欧第二課長の牛島さんが大変かっこよいキャラでした。もっと見たい! ニヒルに笑うなんて超ステキ! 牛島さんに出番を! 牛島さんを主人公にして一本書いて、くれない、よね……。

2002/7/29     評価 B
心の昏き川 上下 D.クーンツ 文春文庫

スペンサー・グラントは前夜バーであった女性・ヴァレリーがどうしても忘れられなかった。
14歳の時に起こったある事件以来、他人に執着するようなことは一度もなかったのに。
一度会っただけの女性に、どうしようもなく惹かれる自分をもてあましながら、愛犬ロッキーをつれて、バー「レッド・ドア」にでかけると、彼女は無断欠勤。不安に思ったスペンサーは思わず彼女の家に向かうが、そこで銃撃戦に巻き込まれてしまう。


  上巻はとっても面白かった。
  スペンサーの過去、ロッキーのトラウマ、ヴァレリーの正体、スペンサー達をつけねらう狂気の殺人鬼ロイ・ミロ、人ひとりなどどうにでもなる国家権力など、とにかく盛り上がり、どうやって決着をつけるのだろうとわくわくだった。
  が、結構拍子抜けの結末。スペンサーのトラウマであった実父を、ロイ・ミロが施設から出した時には、期待度100%だったんだけど。
  具体的には、決着はついていないのだ。どれもこれも。
  解説にあった「実際に起こりうる恐怖」ってのはわかるんだけど、それはそれ、これはこれ、だよ。
  やっぱ小説は完結させなくっちゃ。

  翻訳小説が苦手な私も、クーンツはわりと抵抗なく読めるんだけど、またも今回も妙な日本語訳が。
  スペンサーが絶体絶命の窮地に陥った時、思わずつぶやく。
    「……南無三……」
  電車で読みながら、私は思わず見つめてしまったよ、この三文字を。
  なぜ、南無三!!!
  まさか、原文は「Oh,my god!!」じゃないだろうね?
  お願いだから、アメリカ人に念仏唱えさせないで。

2002/7/11    評価 C(B寄り)
8(エイト) 上下 K.ネヴィル 文春文庫

フランス革命直後、虐殺の嵐が吹き荒れるフランスで、ある修道院が閉鎖されようとしていた。モングラン修道院長は伝説のチェスセット(モングラン・サーヴィス)を誰の手にも渡さないよう、修道女たちに分けて持たせることで守ろうとしたのだった。
時は1972年、ニューヨークで働くキャリアウーマン・キャサリンは、知らず知らずのうちに伝説のチェスと関わりを持っていく。

  ということで、18世紀フランスと20世紀アメリカを舞台に、交互に話が進んでいきます。
  この小説はかなり評判が高くて、それで買ったのですが、私はだめでした。
  そもそも、伝説のチェスといっても、やっぱりどんなに説明されてもただのチェス(西洋将棋)にしか見えないのです。それ以上でもそれ以下でもないのです。「8の公式」と言っても、なるほど面白いとは思うけど、何故それをめぐって人が死んだり、ある意味何百年もわたって人がそれを追い求めているのかも、どうもしっくり来ない。
  あの人は黒のキングだったのね!なんて言われても、特にショックも受けないし感動もしない。「はぁ、そうですか、黒のキングですか」と淡々と思い、「でも待ってよ、黒のキングって何よ」です。

  そんな私も18世紀の方の描写はかなり楽しめました。藤本ひとみの「聖戦ヴァンデ」でならした革命直後のフランスの情勢も頭の中にあるし、大体どんな様子か解る。その中で、ミレーユを影で支えるシャヒンのかっこいいこと。黒い鷹の目を持つ砂漠の青い男ですよ。はぁ〜〜。
  ってなわけで、ストーリーだけなら完全Cなんですが、シャヒンのため、少し評価が甘くなっています。

2002/6/24   評価 A
夢の中の魚 五條瑛 集英社

「プラチナビーズ」のシリーズに出てくるホン・ミンソンを主人公にした連作短編集。

  面白かった。ホンとパクのキャラクター設定が良いし、お互いの信頼関係みたいなものが伝わってくる。コンビネーションも最高。
  っていうか、ラブラブなんだよ、この二人。読み終わるのがもったいなくて。
  パクは「パーフェクトクォーツ」などの鉱物シリーズに今後出てくることあるのかな。是非登場希望です。



  ・・・すみません。下記「天国への階段」と「夢の中の魚」の間に、数冊読んでますが、都合により感想は割愛します。(書名・評価は次の通り)
    池波正太郎 「雲霧仁左衛門」上下  評価B
     浅田次郎  「鉄道員ぽっぽや」    評価C
    五條瑛    「断鎖」           評価A(S寄り)
    五條瑛    「紫嵐」           評価S(A寄り)
    五條瑛    「冬に来た依頼人」    評価B(C寄り)
    中山可穂  「感情教育」         評価A
    T.リー    「闇の公子」         評価B
2002/4/27   評価 A
天国への階段 上下 白川道 幻冬舎

故郷でたった独りの家族も恋人も、総てをなくしてたった独りになった柏木圭一は、単身上京する。復讐を胸に働き続けた彼は、二十年立った今柏木グループの社長として成功した。だが、彼の心には人知れぬ闇が巣喰っていた。

  なんてことだけじゃ済まない、それはそれはたくさんの人物が登場する一大巨編。ベストセラー、そしてドラマ化もされた白川道さんの代表作、なんですね。
  登場するたくさんのキャラの人生がそれぞれが描かれていて、読み物としては大変面白い。上巻で、各々展開していた物が絡み合っている事実が見えた時にはちょっと感心しました。また、キャラの思い違いとか執着心とか、感情がそれまでの人生を裏付けにされていて錯綜していて、目が離せなかった。
  主役の柏木圭一も良い。心の傷を負い復讐を誓って必死に高みを目指す若かりし頃の彼も、40代男の香りなどのコピーで雑誌の記事になる彼も、自己嫌悪に苛まれる彼も、どれもこれも良い。(一番良かったのは、一馬に「俺より背が高いのか」と身長を尋ねたところかな) もうそれだけで映像が浮かぶのだ。

  だけど、私は白川さんの本は「海は涸いていた」の方が好きだ。「天国への階段」の方がもっとたくさんの人生が描けていて深みもあるかも知れないけど、どうにも・・・。原因は、亜木子だ。彼女はかなり重要な位置づけなんだけど、もういただけない。勿論このストーリー全体を考えるに、このような性格でないと話が成り立たないから仕方ないのだろうが、それにしてもあまりにも依存心が強く悲劇のヒロインぶってないだろうか。いかにも男性が描く女性キャラって感じで、好きになれませんね。

2002/4/13   評価 C
ディングルの入江 藤原新也 集英社文庫

  あらすじを書くのもいやだ。つまらない。
  アイルランド、絵、孤独、などなど、私の好きなキーワードがつまっているこの小説。どうしてこんなに読みにくいのか。やっぱり作者が小説家ではないから?
  あまりプーカという女性にも惹かれなかったし、だからかな。
  唯一良かったシーンは、主人公が一時期外で拾った?アイルランド人とアパートで暮らすところだけでした。いっそのこと、プーカ出さずにこの二人の話にしちゃえばよかったのに。

2002/4/03   評価 C
ノストラダムスと王妃 上下 藤本ひとみ 文春文庫

王妃カトリーヌが息子に権力を持たせるため画策する上巻、自分が権力を得るために画策する下巻。カトリーヌは占星術に凝っていて何人も占星術師を抱えていたが、預言書を出版したノストラダムスに興味を覚え、手を結ぶ。

  つまらない!!! これまで読んだ藤本さんの本でここまで面白くなかったのはないぞ。本当につまらない。
  要因はやはり、主人公が女性だってことだろうか。それにしても、ただの一人も好きなキャラがいなかった。どういうことだ。
  もう王妃がどうなろうと、ノストラダムスが何だろうと、本気でどうでもいい。
  唯一、王妃の腹心の部下でアルベルトというのが、伊達男で口達者で、ちょっといいなと思ったけど、あまりに出来過ぎなキャラ造型に今ひとつそそられず。
  気に入っているシーンは、下巻の、アルベルトが拷問にかけられるシーンだけです。本当にそこだけ。

2002/3/24   評価 S(A寄り)
屍鬼 全5巻 小野不由美 新潮文庫

地形的にも文化的にも閉ざされた村・外場。その村には伝統的な古い因習が残り、現代の日本人が忘れかけたふるさと的穏やかさ、のどかさにあふれ、そして陰湿でもあった。夏のある日、外場に移築された古い建物に、夜中にとある一家が引っ越してくる。が、その頃から村では奇怪な出来事がしばしば起こるようになった。
驚異的な分厚さで読者の度肝を抜いた、小野不由美のホラー小説上下巻の文庫化。

  自身の置き所に悩む静信。自己嫌悪ではない、自己不信とでもいおうか。村でもそれなりの地位があり(三役のトップである寺)、人当たりもよく人望もある。
  だけど、これは本当に自分なのか、自信が持てずに常に空洞を胸に感じている。
  彼が小説を書く理由は、その空洞を埋めるためか、心に溜まった澱を吐き出すためか。
  彼は悩み続け、外場を襲う災厄の正体に気付いても、災厄を根絶することができなかった。
  これを逃げと見て、静信を否定し、終始一貫真っ向から災厄と闘い続けた敏夫を是とするのは、一元的であり早計であると私は思う。
  敏夫の戦いは分かりやすい。そして、一見みんなのため、村のため、人類のために戦っているようにも見えるから厄介なのだ。
  私に言わせれば、静信も敏夫も同じである。
  現れ方が異なるだけで、二人とも自己のために道を選んでいる。自分のことだけしか、そもそも二人とも眼中にないのだ。

 ―人類を襲う「屍鬼」を殺すことは、罪悪なのか、否か。

  この一点をもって、二人は考えを異にし、まったく別の立場に立つことになった。
  静信の考え方は理想主義にも偏愛にも見えるだろう。はじめから一貫して徹底抗戦という立場を崩さない敏夫の方が理があるように映るのもやむを得ない。
  だが、おそらくここでは、架空の外場という閉ざされた村、屍鬼という架空の脅威を描きながら、もっと多くの問題を提示しているのだと思った。
  たとえば、アメリカの対テロへの演説・考え方などのようなもので、相手が敵ならば、相手が先に手を出したならば、仕返しに何をしてもいいのか、ということだ。やらなければやられてしまう、だから何をしてもいいのか。
  「正義」というのは怖いものだ。自分に正義があると信じていると全て是だと錯覚する。正義だと信じている物を他人に否定されると、その相手はすぐさま敵となる。敵=悪だと思う。排除してもいいものだと思ってしまう。だが、本当にそうなのか。
  そして、多数派・少数派についても、この小説は提起している。
  もともとの世界、人間の世界においては屍鬼は少数派だ。
  それが、いつの頃からか逆転する。屍鬼の数が増え、人間を捜すことが困難なほどになる。
  ラストには屍鬼を人間が根こそぎ排除し、また割合が変化する。
  ここで思ったのは、多数派=標準・普通であるという考え方の恐ろしさだ。
  もちろん民主主義・多数決の論理でいけば、多数派が強いのは仕方のないことだ。だが、本当にそうなのか。おかしい、間違っている、と思っても少数派が言い出すことができないのは何故なのか。
  屍鬼が増え、逆転現象が起きた時、昼間の人口が減り、役場も派出所も病院も夜に開くようになった。
  その不自然さについて、少数派となった人間は気付かないふりをした。これが何を指しているか。
  また、最終巻で敏夫の指摘した、「自分たちで決めず、誰かが決めてくれるのを待っている」という外場の人達の体質。
  以上は、煎じ詰めれば軍国主義時代の日本と重ねあわさりはしないだろうか。魔女狩りでもいいしナチズムでもいいけど、そうした狂気はこのようなことが土壌となって生まれるのではないかと思った。

  「屍鬼」という小説は、一見ホラー・オカルトの体を為してはいるが、人間の心の奥に棲む狂気、誰でもが一転犯罪者になり得る、無意識の罪について、より鮮明に描いている社会派小説であると言えるのではないかと思う。

  静信はとうとう最終巻で、ずっと小説に書いていた弟と主人公が実は同一人物であり、お互いがお互いを認め(つまり自分自身を認め)一人の人として生きていくというハッピーエンドに仕上げた。
  この心の変容は、静信は自覚していないだろうけど、彼自身の迷いが吹っ切れたことに他ならない。
  それは、屍鬼に協力すると決めた時点でもうその片鱗があったのだろうと思う。
  ラストで静信は作家ではなくなったが、これは屍鬼になってしまった故ではなく、もう小説を書く必要がなくなったからだと思う。
  彼は自分自身を縛り付けていた呪縛を解いたのだ。
  呪縛は村人たちや村の慣習によって施されていたのではなく、自分自身によってなされていたのだ。

  そして、呪縛されていることを嫌悪し、呪縛から逃れようとあがき続けていたもう一人の男・尾崎敏夫。憎悪しても反発しても、彼は結局呪縛の糸を断ち切ることはできなかった。
  一番外場から逃れたがっているくせに、誰よりも外場に縛られている。
  「尾崎」であることが嫌であるくせに、「尾崎」を誇りに思っている。
  いつでも逃げられたのに、外場に残って災厄と闘ったのは、彼が常に事態を掌中におさめていないと気が済まず、外場村の中での大将にならずにいられない性格から来ていると思う。
  結果的に外場に縛られてしまったのではなく、自ら望んで縛られているのだと思う。
  ラストで外場村は崩壊したが、おそらく敏夫は相変わらず町医者で、外場出身の人が来院できるような場所で病院をやっていると思う。

  最後に私事ですが、晴夜は最初から最後まで尾崎敏夫に夢中でした。
  その気位の高さ。心に抱える矛盾、矛盾に対する苛立ちが、どれもこれもいちいちツボでした。
  初めて屍鬼の襲撃を受け、「どうも無礼で気に入らないな」と言うところ。
  千鶴を騙し一緒に神社へ行き、味方面したところから一変して村人を煽動するところ。
  どれもこれもかっこよすぎて涙が出そうでした。
  彼にも泣き所が存在し、それが静信だというのもそそるポイントでした。


2002/3/21   評価 A(B寄り)
ハリー・ポッターと賢者の石 J.K.ローリング 静山社

天涯孤独の少年ハリー・ポッターが魔法学校ホグワーツへ入学し、体験する様々なできごとが書かれた、世界的に有名なシリーズ第1作目。児童文学だが、大人にも大人気。

  先に映画を見てしまったのが失敗だった。原作にほぼ忠実に作られた映画だっただけに、読んで浮かぶ映像が映画のままなのだ。映画と原作がかけ離れている場合、映画を先に見ていても原作としてのイメージが別個に頭に浮かぶものだが、これはもう、完璧に映画のまま。だからせっかく原作を読んでいても、一度見た映画をなぞるような感じになってしまい、今ひとつ楽しめなかった。
  が、映画では実は良く分からなかったラストシーンが、本を読むことで分かったり、といいこともあった。スネイプは映画ではあまり好きではなかったが、原作を読んで好きになったキャラだ。この本では一番好きである。(次に好きなのはハーマイオニー) 妄想爆裂だが、スネイプとハリー父の若かりし頃の話が是非読みたい。
  今回と同じ愚をおかさないように、2作目の「秘密の部屋」は、映画を見る前に原作を読んで置きたいものだが・・・。誰か貸してくれないかな〜〜。

2002/3/14   評価 A
ケインとアベル 上下 ジェフリー.アーチャー 新潮文庫

名だたる銀行家の長男として生まれたウィリアム・ケイン。片や産褥死した誰とも知らぬ女性の子でありポーランドの貧しい罠猟師に育てられたヴワデク(のちのアベル・ロスノフスキ)。奇しくも同年同月同日に生まれた二人の人生を通して、人としての生き様、激動の時代を語る小説。

  これは実によくできている。ドラマティックであり、歴史劇でもある。
  特に上巻のアベル(ヴワデク)の波乱に満ちた日々は、まったく先が読めず熱中した。まず出自が全く異なるこの二人がいつ出会うのか、というのが興味深かった。
  下巻はある意味仕事も家庭も落ち着いた二人の企業人としての半生がつづられているが、私は若いときの二人の方が好き。
  途中からホームドラマ的になったけど、最後の和解の仕方など、気が利いていて印象がよい。一度かけちがったボタンは数十年を経てようやく本来の姿に戻る。

  元来私はあまり翻訳物を読まないが、この本の訳は大変読みやすかった。

2002/2/21   評価 B 
美濃牛 殊能将之 講談社ノベルズ

フリーライター天瀬は、雑誌編集部から「奇跡の泉」の取材を依頼される。どんな難病をも治す奇跡の泉は、岐阜の奥地にあり、気が進まないながらも現地に行くことになる天瀬。そしてその村ではその後次々に奇怪な事件が起こる。

  これは、Cにはしなかったけど、はずれ本ですね。
  この作者のデビュー作「ハサミ男」が面白かったので、2作目に期待していたからかも知れませんが、がっかりでした。
  この作品も「ハサミ男」同様の効果を期待して作られているのに、印象はまったく正反対です。その展開に至るまでの経緯など、作者が自らの技量に酔っているのが見え見えで呼んでいるこちら側が冷めてしまったり、奇怪な事件が起こるわりにその原因・理由がしょぼくて、種明かしされるたびに消沈気味。
  キャラも根本的なネタ(作品の主軸)も、私の好みではないですが、好みであるかどうかを全く考えなかった場合、それなりにストーリーも練られているとは思います。二匹目のドジョウを狙った「ハサミ男」的演出はばればれでしたが。
  今後殊能さんの本を読むことはないでしょう。

2002/2/14   評価 S 
うつくしい子ども 石田衣良  文春文庫 

平和で平凡な日々が続くニュータウンに、ある日とんでもない嵐が巻き起こる。小学校3年生の女の子が死体で発見され、犯人は中学1年生の男の子、主人公の弟だった。その日から彼ら家族は崩壊する。主人公は弟の心の闇部を知ろうと単独調査を始めるが・・・、という小説。

  残虐な少年犯罪が起きるとき、報道番組を見ながらいつも苛立つ。
  訳知り顔な大人が犯罪行為を行った少年の背景として、家族関係、友人関係、受験戦争、画一化・没個性を推進する学校教育、経済的に豊かであること、食べ物、ホラー映画、アダルトビデオ、マンガ、ゲーム等を挙げ、私達が子どもの時は本当に良い社会だった、と昔話に興じて終わるのだ。
  馬鹿じゃなかろうか、と思う。結局何も見ようとしないくせに、何を言っているんだと思う。

  この本を読み始めた時、この本の狙いはなんだろうと思った。
  上記の典型のような新興住宅地で起こった少年犯罪。画一的な進学校。物余りを象徴するような経済的に豊かな生活。薄っぺらな子どもたち。希薄な家族関係。ホラー映画。
  が、読み進めていくにつれて、これは挑戦か譲歩か、と考えた。
  原因とされているこうした物をあえて出して事件を起こさせる。「どうだ!」という挑戦か、それともそのような考え方にも一理あるという譲歩か。
  結論からすると譲歩のようだが。
  作者は「家族」「友情」「学校教育」に焦点を当てているようだ。おそらく作者の意見であろう。
  これは100%私の中で賛成しかねるが、特段反発を覚えなかった。
  それは作者の姿勢が真摯だからだ。私なんかよりももっとずっと前向きに直面し、考察したことが窺えるからだろう。

  主人公である幹生、長沢、松浦、八住の気持ちは自分の中学時代の気持ちと大きくシンクロし、あまりの共鳴具合に涙が出そうになった。クスノキの下の本音での語り合いは私にとっての部活。松浦の書いた「夜の王子」は私にとっての小説を書くという行為。学校で幹生が受ける様々な妨害は私にとっての学校生活。まさに中学時代そのものだ。
  だから負けないで欲しかった。がんばれと祈った。
  当初は幹生のあまりの良い子ぶりが鼻についたが、読んでいるうちにどこかへ行った。あれはある意味、作者の理想の姿かも知れない。
  誰もが同じ危うさを抱えている。犯罪を犯すかどうか、自殺をするかどうかは、本人の心の中にある本当に細い細い、目にも見えず触っても分からないような繊細な糸一本なんだろうと思う。強さ、弱さ、忍耐力、柔軟性、いろんな尺度があるけど、その糸を切れないように保ち続けられるかどうかの違いだけだと思う。


2002/2/10   評価 A 
らんぼう 大沢在昌  新潮文庫 

検挙率ナンバーワンおよび被疑者への受傷率ナンバーワンの、史上最悪最凶コンビの刑事、ウラとイケ。身長差20センチのでこぼこコンビが巻き起こす事件の数々を描いた連作短編集。

  楽しい、史上最強コンビ!
  これは是非ドラマ化希望だわ。昔のフィルム映像で作って欲しいな〜〜。ついでに続編も希望!
  とにかく軽くて、字も大きくて、通勤にはぴったりでした。


2002/2/7   評価 A 
一夢庵風流記 隆慶一郎 新潮文庫

前田利久(前田利家の兄)の養子・前田慶次郎は無類のかぶき者。その慶次郎の一代記を描いた小説。
ジャンプに連載していた「花の慶次」の原作でもあるようです。

  面白かった。この本で初めて知った前田慶次郎。こんな面白い人がいたなんて。
  隆氏はこの人物が好きなようで、力を込めて魅力的に描いています。男にも女にももてる、人たらしぶりや、破天荒でありながらも憎めないその人柄が良く現れています。
  マンガのような展開に軽い科白の応酬。マンガの原作になるのも分かるな〜。
  難を言えば、キャラクターが魅力的なわりに、ストーリーが平板なところでしょうか。長編小説というよりも連作短編集の趣です。

  愛馬松風がかっこいい。金悟洞も直江兼続もかっこよかった。直江兼続なんて、こんな風にかっこよく書かれてしまっては、そこらの戦国ドラマが見られなくなってしまうってくらいの造型です。
  あと関係ないですが、この本の中に直江信綱の名前が出てきたので、「炎の蜃気楼」の直江ファンとしては感動でした。



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