2005年2月、就職活動。


午後8時過ぎ、営業部に隣接したキッチンでイシイさんがどこからか食材を調達してきて、なにやら料理を作り始めています。今日はどうやらクリームシチューらしい。そして誰からともなく8時過ぎたねという声と共に冷蔵庫からよく冷えた缶ビールが手渡されていきます。面接のとき、社長が言っていたように確かに8時過ぎからみんなでビールを飲み始めている。まだ仕事中なのに。。。(^-^;)でも、面接で聞かされた光景。しばらくすると、イシイさんが作ったクリームシチューをみんなで小皿に分けながら食べています。これが毎日なのか、それともたまになのか、入って三日目の僕には判断が付きません。ただ、イシイさんは、この食事を作るために会社に来ているワケではなく、元々はイラストレーターで、それがやりたいがために社員にならず、契約社員でいるということとなぜか自宅のある船橋から会社のある両国まで歩いてきているというすごく変わった方だということをその前日の飲み会で聞いたばかりでした。面白い会社に入ったモンだ。でも、僕はそんなことじゃ、驚きません。なぜってもっとスゴいことが僕の入社の条件だったからです。。。。。(^_^;)

僕がこの会社の存在を知ったのは3月に入って間もない頃です。求人票には職種「営業企画」と書かれ、仕事内容には「デジタル撮影、デザイン、Web、印刷物の企画営業」と書かれてありました。どんな会社かはわからないが、取りあえずキープと言った感じ。他に2社ほど選びましたが、あんまり気乗りしない印刷関連の会社でした。

僕は1月一杯で前の会社をやめ、2月から仕事探しを始めました。その頃、自分が今後どういった方向に進むべきか考えてたときでもありました。自分自身のこれまでのキャリアを考えたとき、広告関連の仕事をやっていきたいと考えていました。前の仕事がちょっと特殊な編集プロダクションなので、、いわゆる編集者としてのキャリアにはあまりなりませんでした。また、グラフィックデザイナーやコピーライターのような制作でやっていくほどの技量はなかった。かといって営業というワケではない。元々、営業というポジションで仕事をしてきたわけではなく、どっちかというと企画営業。名刺にも肩書きとしてはデェレクターと書かれ、全体のデレクションを取って、進行管理をするみたいな方が得意でした。だから広告代理店の企画営業がいいのではと思い、その手の会社ばかり面接を受けていました。と、いってもなぜか広告代理店は書類選考が多いんです。面接のみの会社を2社程受けましたが、結局、似たようなことが理由で不採用となっていました。広告代理店の企画営業としてほしいスキルは、まず新規開拓ができるかということと、営業先がどこかということでした。前職が編集プロダクションであったため、新規開拓はまったくしていません。また営業先は広告代理店。つまり同業他社になるわけです。これがある意味致命的。やはり代理店なわけですから営業先はメーカーになる。直がいいわけですよ。それで、広告代理店っていうのはどうなのかな?って思っていた矢先、書類選考が通った会社があったのです。九段下にある会社だったんですが、ここは、僕のキャリアを知った上で、面接に漕ぎ着けたわけですよ。かなり期待しました。書類を出したのが2月の上旬で面接の連絡があったのが、2月の半ば、そして面接が2月の25日くらいだったかな。なんだかんだ1ヶ月近く掛かってます。もう、ここしかないでしょ!?っていうくらいかなり期待しました。これで決まれば、友達にもいい報告ができると思いました。

 

友達。。。相模大野に住むITくんは、会社をやめたと知った時、僕のこれまでの事情を知っているので、敢えて「退職祝い」の飲み会を開いてくれました。「新たな門出」といった意味で開いてくれて、このときは、この先、どうなっていくか全然わからなかったけど、「スズキさんなら大丈夫。」とすごく自信一杯に言ってくれてたんで、逆に「そこまで信頼されているんだ、その信頼に応えなきゃな」とすごく励まされました。
池袋で会社を興したひるます氏も「時熟」という言葉を送ってくれ、自分の進むべき道のひとつを教えてくれました。その他、色々な人達に励まされて、いい報告ができればなぁと思っていました。

で、結果は、、、、?

 

ダメでした。ヘコみました、マジで。
ちょっとヤバいゾ、と。

そうはいってもまだ3月始め。探し出して1ヶ月。まだまだ大丈夫。
でも軌道修正した方がいいかな。
でもどうやって??などと自問自答(^^;)

ハローワークの片隅で求人票をみることができるパソコンであれこれと探していました。選択肢のひとつに印刷関連というのがありました。

印刷営業か。。。
あんまり気乗りしない。
でもそんなこと言ってられない。
ちょっと煮詰まった。
行き止まり。そんなとき、どういったワケかトイレに行きたくなった。
どうしようかな。
どこか紹介状をもらって面接に行かないと。。
でも取りあえず、トイレに。

このトイレタイムがその後の僕に大きな展開をもたらすのでした☆★