カフェボヘミアと過ごした日々

〜会報『カフェボヘミア』「佐野元春と過ごした日々」に寄せて〜

 

 

僕が「佐野元春と過ごした日々」として考えたとき、とてもひと言では語りきれません。特に20代前半の頃、漫画家になる夢に向かっていた僕にはどれほど、勇気つ゛けられたかわかりません。「手おくれと言われても」ふんばりきれたし、何度も「全てをスタートラインに戻してギアを入れ」なおしました。30代になってからも、がむしゃらにつっぱしるのではなく、人生を深くかみしめた名曲「レインボーインマイソウル」や、「君を連れていく」などが僕を励ましてくれました。

 

その頃になると、「佐野元春」だけにとどまらず、元春を通して出会った「仲間」というのが増えてきました。そうした出会いが、ふと振り返ってみると僕の人生の大きな節目になってきているなと思うのです。

そしてその出会いの、直接的な手助けになっているのが、何を隠そうこのカフェボヘミアなのです。

 

最初の出会いは今でもあるフレンドシップのコーナーでした。たしか、ビデオテープをダビングしてくださいというような他愛もない内容だったと思いますが、そこで僕はK子さんという女性と知り合うのです。さらにその出会いからKH子さんのだんなさんのHさんと知り合い、すごく意気投合し、それが今では幻となった雑誌「グレートアンバランス」の制作へと発展していくのです。その頃も月に1回くらい元春が好きな人達で集まって、飲んだり、カラオケに行ったりしてました。

そこでH2さんが酔った勢いで、「下村誠さんのミュージシャンとしての部分に光りを当てよう」と言ったことが最初の始まりでした。G-Uは創刊号に「アーチスト下村誠」特集、2号では「佐野元春〜表現する個人のインスパイア〜」という企画をやり、カフェボヘミア誌上でも講読を募っていたので、知っている人もいるかと思います。

 

 その次の大きな節目は忘れもしない96年4月、「元春ソングカラオケ大会」というのが載りました。それは当時カフェボミアの編集をしていた方が企画したもので、それがとても楽しいものとなりました。

 14〜5名集まったと思いますが、みんな初対面なのにもかかわらず、佐野元春という共通項があるためか、すぐ打ち解けました。中でもITくんとの出会いは大きかったです。

僕とITくんはその後、自主的にこのカラオケ大会を企画していきました。その集まりはカフェボミア誌上を通していろいろなところから人が集まり、カラオケだけにはとどまらず、時にはお好み焼パーティをしたり、ピザパーティをしたり、そのうち元春の地方の公演を観に行こうという話が出てきて、名古屋、大阪、果ては福岡までといっしょにライブに行くようになりました。

 

また、僕がパソコンを始めたのもITくんの強力な誘いがあったからです。97年当時パソコン通信のニフティに元春ホームパーティというフォーラムがありました。

そこには全国から元春ファンが集まり、情報交換やオフ会をやって集まったりしているということでした。そこに参加し、また輪が広がりました。おかげでコンサート会場に行くと知り合いだらけになっていました(笑)。

そのうちパソコンを使って自分のホームページも立ち上げられるようになり、G-Uが休刊している今はそれが唯一の表現手段となっていきました。

 

そういった流れの中で、さらに大きな節目に出会うのでした。

99年の7月頃、その元春パーティのネット上で興味深い書き込みがあったのです。

それは7月23日の山下久美子の20周年記念ライブに元春が出演するというのです。

そのライブがあることは知っていましたが、元春が出演するというのはガ然、意味が違ってきます。実は約17年前にも僕はこのふたりのステージを観ていました。そう、慶応大学の学園祭でした。あのとき、僕は初めて元春のステージを観て、触発され、漫画家になろう!と大きく決心したのでした。そのふたりがまた同じステージに立つ(ちなみに92年にも同じ日吉記念館でふたりは同じステージに立ちましたが、そのときは逆に僕が池袋のシアターグリーンという劇場で公演をしていたので、行けませんでした(*^-^*)これは観に行くしかないと、翌日すぐにチケットを取ったのでした。

そして、久々に山下久美子と佐野元春のステージを観、元春ホームパーティの仲間と美味しいお酒を飲んでいたのでした。その席で、よく顔を合わせる女の子とひょんなことから意気投合し、その年の秋頃から付き合うようになりました。

で!今年2002年3月9日、めでたく(?)結婚することになりました。

これは人生最大の節目、僕にとって集大成の出来事かもしれませんね。

 

こうして振り返ってみると、本当に僕の人生の節目で様々な元春と出会ってきています。そして、これからも!

まさに“佐野元春とともに歩んでいく日々”ですね。