三宅島全図へ

  「サタドー岬にて。」

 

5/3AM.5:00 三宅島

5月3日朝5時、ついに三宅島に着いた。
三宅島を含む伊豆七島とは東京から近い順にいくと大島、利島、新島、式根島、
神津島、三宅島、八丈島となる。 最初僕は神津島に行こうと思っていた。 しかし、この時期、船だと11時間半もかかるのだ。さすがの船旅好きの僕も
ちょっと考えてしまった。(夏なら10時間半)それからくらべると三宅島は直行の
船が出ているので早いのだ。 東京から6時間半。今回この島にしたのはもうひとつ理由がある。 この前書いた元春ファンの仲間達といつか島に遊びに行けないかと思って いたのだ。もし、僕が行って良い所だったら、彼らも誘おうと思っていた。 それこそスズキ版の東ケト会になるネ。 三池港に着いて、まず民宿の人に港までクルマで迎えに来てもらい、宿まで連れて
いってもらった。まだ5時半くらいだったので、そこでちょっと仮眠を取った。 午前9時。 いよいよ三宅島めぐりの始まりだぁ! 僕が泊まった民宿は長太郎池のそばにあった。長太郎池というのは実は海で、 岩がうまく海を囲ってて池のようになっているのだ。 秘かに海の中に入れないかなと思っていた僕にとってはまっ先に立ち寄る チェックポイントだった。行ってみると、水はまだ冷たかった。 5月ということとちょっと曇り空ということでまだ入れる時期ではなかった。 式根島に行ったときも思ったのだが、この当たりはもう熱帯魚が見られるのだ。 ゴーグル付けて1メートルくらい潜ると色々な魚たちに出会えてしまうのだ。 ここから約18キロ離れた御蔵島などは天然のイルカが生息しているらしい。 時期的に早いということもあって今回はちょっと残念だった。 三宅島は円周約33キロの山あり谷ありの島だ。僕はここをレンタル自転車で
まわろうと思っている。ガイドブックによると自転車で7時間くらいだそうだ。
そうなると4時から5時にはまわれる計算だ。 今回のサイクリングルートでまわる所は島を左周りにして、ヒンズー語で地獄を
意味する「サタドー岬」昭和37年の噴火で出来たという火山の「三七山」、
約1500年前の火山の噴火噴火で出来た火口が湖になった「大路池」などである。
 まず、サタドー岬を目指した。そこまでの道はあえて海沿いの道を選んだ。
快適。空はちょっと雲が出ているけど、天気は良い。海というのはなんでこうも
ひかれるのか自分でもよくわからないなぁ。 広大は広さなのかな。生物はまず、海の中から誕生したからなのかな? とにかく波の音とか波しぶきを見ているだけであきないのだ。 そうこうしているうちにサタドー岬に着いた。細い道を行くとポツンと 灯台が見えるのだ。しかもその灯台へは鉄の柵に被われて中には入れない。 途方に暮れているとそばの畑で草取りをしていた70歳くらいのおばあちゃんが
声を掛けてきた。
「サタドー岬は見られましたか?」 「いえ…、どこですか?ここですか?」 「あ、そこの道を降りていくと海に出れますよ。」 なるほど。どうりで。どう見てもここは山の中の畑の一角って感じのとこだ。 そこを降りていくと…。 おお!素晴らしい!30メートルくらいの断崖絶壁が目に入った。これがいわゆる サタドー(地獄)というのか!? その岬から見える景色をいくつか撮ったあと、さっきのおばあちゃんの所に戻った。 そのおばあちゃんから興味深い話を聞くことが出来た。 おばあちゃんは昭和34年に大島から嫁ぎ先の三宅島にきて、そして昭和37年の 噴火に遭遇したそうだ。そのとき三七山が誕生し、「花火みたいだった」 と笑ってはいたが…。 昭和58年、島の中心にある雄山が噴火した。この時は阿古の村はほとんど無く
なってしまったという。 「結局2回の噴火にあったけど、ウチは大丈夫だった。ウチはずっと神様を祭って
いるから大丈夫だったんだ。」とごく自然に話していた。 僕もその話を聞いていて、自然に「そうですか、やっぱり神様っているんですね。」 なんて言ってしまっている。 そう…、島とはもともと火山の噴火でできたものなのだ。 すぐそばにある火山と共に生きている。そういった「自然」と共に暮らすという ことが、島で暮らすということなのだ。 噴火すると大きな火の玉が飛んでくるという。 つまり火で燃えた岩が飛んでくるわけだ。 その火の玉に当たるか当たらないかはただの偶然!? 運の強さ? 東京みたいに人の中で暮らしている僕らに、「神の力」といっても あまりリアリティのない言葉に聞こえるが、周りが海に囲まれ、自然に囲まれた
暮らしをしている人達には言いしれぬ力が働いたとしても不思議だとは思わない。 実際、神様を祭っていない家が近くにあったそうだ。そこは被害にあったし そのあと色々な人がその土地を買って住もうとするが、3年くらいで手放すそうだ。 「今は化け物の屋敷になっている」と言っていた。帰りにちょっと見てみたが
その通りだった。 一応、写真も撮ってはみたが、あまりのスゴサに公開するのをやめた。 このおばあちゃんとのちょっとした会話の中で島の生活というものかい間みる
ことができた。そしてこのあと訪れる三七山でもっとスゴい「自然の猛威」を
見ることになる…。
 

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