AGAIN 『華麗なるギャツビー』

ものがたり

第一次世界大戦後、1920年代のアメリカは
好景気が続く中、繁栄の時代を迎えていた。
しかし、繁栄の影では戦前の統制や道徳を嫌い、
自由を求める若者達は禁酒法を破り酔いつぶれ、
ジャズに踊り狂い快楽に溺れる日々。
もぐり酒場や酒の密売を牛耳るギャングの暗躍が
さらに退廃のムードを助長していた。

そんな時代を象徴するかのような謎の男、ジェイ・ギャツビーは、
ニューヨーク郊外ロングアイランドの豪華な屋敷で
夜毎に絢爛なパーティを開き、人々の注目を浴びていた。
その隣に越してきた中西部出身の堅実なサラリーマン
ニック・キャラウェイは、パーティに紛れて楽しみながら
華やかな生活をするギャツビーに驚嘆せずにいられなかった。
引越しの翌朝、ギャツビーとニックは始めて挨拶を交わした。
世間話をしているうちに、ニックがかつての恋人デイジーの
いとこだと知り、デイジーとの接点を再び見出した。

ニックはギャツビー邸の対岸イースト・エッグにある
デイジーの屋敷を訪問した。
デイジーの夫は大富豪トム・ブキャナンで、
ニックの大学時代の友人でもある。
ブキャナン夫妻の贅沢な生活ぶりに目を見張るニックだが、
「実は夫婦関係はすでに冷めきっている」と
屋敷に滞在しているデイジーの親友で
プロゴルファーのジョーダンから夫妻の現状を知らされる。
更に、トムにはニューヨークに愛人がいることも・・・
デイジーはニックの隣人が、かつての恋人ギャツビーだと
知り動揺を隠しきれなかった。

第一次世界大戦中、ギャツビーが入隊していた軍が
ケンタッキー州に駐屯していた時、同州の最高裁判事の娘
デイジーと運命的に出逢った。
青年将校と奔放な令嬢はたちまち恋に落ちたが、
身分違いであり、将来の見通しも立たない無一文の
青年ギャツビーとの結婚は家族の激しい反対にあった。
前線に赴くギャツビーを追って家出までしようとした
デイジーだが母親に見つかり、恋を断念せざるを得なかった。

その後5年の歳月が流れる間に、
いつ帰還するともわからない恋人を待ちきれず
デイジーはトムと結婚した。
一方、ギャツビーはデイジーと結ばれたいと願って、
お金を儲けることに必死になっていた。
暗黒街を仕切るウルフシェイムに見込まれたギャツビーは、
酒の密売で財を築き、裏の世界のボス的存在にまで成上がった。
巨万の富を手にしたギャツビーはデイジーの家が見える
ウェスト・エッグに大邸宅を建て、人々の噂に上るような
絢爛なパーティを開くことで、デイジーとの再会を密かに
期待していた。
そして、ニックの協力で再会を果たす。

5年前、ギャツビーの元へ行けなかったデイジーは
毎日手紙を書き続けたが、デイジーの母親に返事は書かないと
約束したギャツビーは手紙に応えることはできなかった。
だが、今でもその手紙を大切にしているという。
「5年の間に取り返しのつかないことになってしまった・・・」
と悔やむデイジーに、「まだ5年だ。過去は取り戻せなくても
過去を乗り越えることは出来る」とギャツビー。
デイジーは何かを決意したように、次のギャツビーのパーティーで
再び逢うことを約束した。

パーティーに招待されたトムは、姿が見当たらないデイジーを探す。
そこへ現れたニックに、彼女は気分が悪いから部屋で休んでいると告げられる。
やがて音楽が流れ、招待客たちがそれぞれ踊りを楽しみ始めていた。
しばらくするとデイジーがギャツビーと現れた。
大勢の人ごみに紛れて逢っていたのだが、
そこをトムに見つかってしまう。
あなたを探して彼女をお連れしただけです、というギャツビーだが、
二人の仲を怪しんだトムは落ち着き払った彼の行動が
気に障り、ゴルフで勝負しようと誘う。

ゴルフ場へ向かう途中、デイジー、ジョーダン、トムは
愛人マートルの夫が経営するガソリンスタンドへ立寄った。
そこへ偶然、ギャツビーとニックが現れる。
トムは挑発的な発言をして、お互いの車を交換しようと
持ちかけるが、トムが運転席へ座るのを見届けたデイジーは
ギャツビーの運転する車に乗るわと云い、二人は先に行ってしまう。
トムは慌てて後を追って行った。
スタンドの2階の窓からは、マートルがトムの名を必死に叫んでいた。

勝負にはギャツビーが勝ったが、負けを認めようとしないトムは
調べ上げたギャツビーの過去を大勢の前で暴露し始めた。
傷ついたデイジーはギャツビーに送ってもらい帰宅することになった。
その途中、ちょうどガソリンスタンドの近くにさしかかると
二人が乗る車の前に人影が飛び出してきた。
実直な夫ウィルソンがカリフォルニア行きを提案したが、
それを強く拒否したためマートルは家の2階へ閉じ込められていたのだ。
トムに助けを求めようと、先程のトムが乗っていた車を止めるため
道路に飛び出して行った。
だが車はスピードを落とすことなく突っ込み、
マートルは即死してしまった。

デイジーたちと別れたトムたちはウィルソンの店へ立寄り、
事故があったことを知る。
ウィルソンは誰があの車を運転していたのか知りたがり
トムに詰寄った。一度は心当たりはないと云ってその場を
あとにしたトムだが、再び訊ねられた時には迫力に負け
持ち主について話した。
一方、デイジーは取乱していた。
ギャツビーの車を運転したいたのはデイジーだったのだ。
彼女の不安を取り除く為、「大丈夫、車を運転していたのは僕だ」
と告げる。驚き困惑するデイジーに、
「何も心配せず家に帰ればいいんだよ」と彼女の背中を押す。
デイジーは躊躇するが、云われたまま家へ帰っていった。

屋敷へ戻ったギャツビーを待っていたのはニックだった。
何故スピードを落とさず逃げたのかと尋ねる。
慌てた様子で、止まろうと思ったが咄嗟のことで・・・と
話すギャツビーを見て何かを感じたニックは気付く。
運転していたのはデイジーだったのだと。
車の持ち主が判明したら君が責任を被るわけか・・・
そこまでデイジーを想うギャツビーの手を握り、
「どんな過去を持っていても、君は価値ある人間だよ」
と云い、事の詳細を誰にも言わないと約束し、帰っていった。

ギャツビーはデイジーの家を見つめていた。
そこへウィルソンが現れた。
2、3の問答の後、ウィルソンは拳銃を向け再び問う。
「あの車はお前のものだな」
「ああ」緊張した表情で応えるギャツビー。
「お前が運転していたんだな」
「ああ・・・俺だ!」デイジーを想いながら
僅かに微笑み応えるギャツビー。

一発の銃声がし、ギャツビーは倒れる。
二発目の銃声がし、ウィルソンも倒れた。

と、まぁ、このようなお話なのですが・・・
先月(2003年2月)、BS放送で海外ドラマを放送していました。
作品がこのギャツビーだったので、懐かしいなぁと思いつつ見てました。
ドラマのほうではゴルフ勝負もないし、大きな見せ場も
なかったのでちょっとガッカリでしたが・・・(苦笑)。
でも、なんかこの作品が好きなので、
是非、わたるくんで再演してくれたら嬉しいなぁと思いまして。

希望配役は・・・そうですねぇ。

ギャツビー・・・湖月わたる (杜けあき)
デイジー・・・・檀 れい (鮎ゆうき)
ニック・・・・・安蘭けい (一路真輝)
トム・・・・・・汐美真帆 (海峡ひろき)
ジョーダン・・・万理柚美 (早乙女 幸)
マートル・・・・しのぶ紫 (美月亜優)
ウィルソン・・・英真なおき (古代みず希)
ウルフシェイム・・・初風 緑 or 樹里咲穂 (高嶺ふぶき)
ビロクシー・・・真飛 聖 or 麻園みき (轟 悠)
ラウル・・・・・真飛 聖 or 麻園みき (香寿たつき)
ヘンリー・ギャッツ・・・未沙のえる (岸 香織)

・・・こんな感じかなぁ。
星組さんてば最近、主要人物を演じていた方たちが
ゴッソリ退団しちゃったんでねぇ・・・
若い子たちにどんな役が合うのか、
u-tsuにはちょっと分からなくて(^^ゞ。
お気に入りの方と上級生の方を中心に
配役しただけななので、このようになりました。

この他に出てくるのは・・・
デイジーの妹ジュディ(純名理沙)、いとこのエディ(和央ようか)、
マートルの妹キャサリン(朝霧 舞)が台詞ありで、
ちょっとずつですが見せ場もあります。
あとはアンサンブルが多いですねぇ。

※ ( )内は初演の本役さんです ※

ホントは、ギャツビーが死んだ後も舞台には続きがあります。
ニックが葬儀を一人で取り仕切るのですが、
参列者はいません。
裏世界のウルフシェイムらは「付き合いは生きている間だけ」
と冷たく言い放ち、ジョーダンは試合の為にボストンへ行き、
デイジーは一家でヨーロッパへ旅行中・・・
仕方なくニック一人で祈りを捧げようとしているところへ、
ギャツビーの父親が現れます。
身内にどうにか知らせたいと、ニックが新聞広告に載せたんです。
すると今度は旅行中のはずのデイジーが、到着します。
黒いドレスに身を包み、白い薔薇の花を1本だけ持って
まっすぐにギャツビーの眠る棺の前へ行き、祈りを捧げます。
そして、すぐに車に乗りこみその場を去って行くんです。
ギャツビーの父ヘンリーはニックに、
昔ギャツビーが綴った日記帳を見せます。
少年時代のギャツビーが現れ日記を綴りはじめると
舞台は暗くなり、色んな年齢のギャツビーが登場します。
そして一番最後に現在のギャツビーが現れ、
主題歌を歌って幕になります。

とっても、杜さん演じるギャツビーに包容力の大きさを感じました。
だから、わたるくんなら、きっとステキなギャツビーを
見せてくれるのではないかと思えるんです。
お衣装もスーツだから絶対にお似合いだし(^^)。
今すぐとは言わないから、でも近いうちに
わたるギャツビーに逢えたら嬉しいです!

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