WISH 『MASK of ZORRO』



ものがたり

1821年、メキシコの民衆は革命軍の指導者サンタ・アナ
に導かれ、スペインからの支配を打ち破った。
当時、メキシコ領のカリフォルニア総督ラファエルは、
召還命令でスペインへの帰国を前に、宿敵である
民衆の英雄”ゾロ”を捕えるため、最後の勝負を挑む。
だがゾロが勝利を収め、決着はついたかに見えたが・・・

館へ戻ったゾロを、美しい妻と生まれて間もない娘が迎える。
彼の正体はディエゴ・デ・ラ・ベガという貴族で、
妻のエスペランザと娘のエレナと幸福な家庭を築いていた。
そこへ無断で進入してきたラファエルとその部下が立ちはだかり、
ディエゴをかばったエスペランザは殺され、娘エレナは
ラファエルがスペインへ連れ帰ってしまった。
捕らわれたディエゴは投獄され、そこで20年を過ごすことになった。

20年後、監視兵のスキをついて脱走したディエゴは
ラファエルに復讐をしようと機会を伺っていた。
そんな中、ラファエルがカリフォルニアへ戻ってきた。
さらわれた娘エレナを伴なって。

ラファエルは何かをこの地で企んでいたが、
それを暴くには歳を取りすぎたと考えたディエゴは、
新たに2代目ゾロを育てようと決心する。
選ばれたのはアレハンドロ・ムリエッタというお尋ね者。
彼は逃走途中で兄を殺され、ラファエルが雇っている騎兵隊長に
仇討ちの機会を狙っていた。
だが兄を失った喪失感を埋めるため酒に酔いつぶれる彼には
そんな力もなく、それなら戦い方を教えてやると、ディエゴは申し出た。
少年の日の英雄ゾロと対面したアレハンドロは、彼の訓練に打ちこむ
日々を過ごした。

やがて力をつけたアレハンドロは、民衆の英雄ゾロとして
ラファエルに戦いを挑む。

というお話しなんですが、とっても楽しい活劇です。
137分とちょっと長いのですが、お話しがスピーディーに
進んで行きますし、演出も飽きることがなく工夫されて
いるので、時間の長さは感じさせません。
ただ、舞台になっているカリフォルニアが、スペインの植民地だったり
メキシコ領だったりという複雑な立場なので、所々で領主たちの会話に
ついていけないというのがちょっと難点です(苦笑)。
単にu-tsuが歴史に弱いだけなんですけど(^^ゞ。
それ以外はなんの問題もなく、ただ楽しんで見れる作品になってます。

なぜu-tsuが、コレを舞台で観たいのか?
そりゃぁやっぱり、カッコイイからですよ(^^;。
スパニッシュな情熱溢れる音楽をバックに、ゾロに扮したわたるくんを
想像してごらんなさい。めちゃめちゃカッコイイじゃないですかっ!
お尋ね者の酔いつぶれた青年が、英雄ゾロの特訓で力をつけ、
紳士としての品位も身につけ、民衆の為に立ち上がる・・・
漫画的な要素も多く取りこまれていますが、文句なく楽しめる作品を
是非、上演して欲しいなぁっていう願望があって、
尚且つ、わたるくんで観れたらとっても嬉しいなぁていう想いもあります。

映画でのu-tsu的な見所は、初代ゾロに扮したA.ホプキンス。
あ〜もうステキな渋さを醸し出していますぅ(^^;。
そうです、u-tsuはこのおじ様が大好きなの。
ハンサムだし品もあるし、存在自体がステキっ。
猟奇殺人犯ハンニバル・レクターの役をしていても
理知的な存在感があって、でもそれが役の妨げになることはなく・・・
俳優として素晴らしい方だなぁと思います。
でも出演映画はそんなに観ていないu-tsuですが・・・

そして、アレハンドロ役のバンデラスのセクシー度がイイです(^^)。
野蛮人から紳士への変貌は驚きです。
最初は髪はボサボサ、ヒゲはボウボウで薄汚れたアレハンドロですが、
ディエゴの訓練を受けていくうちにカッコイイ紳士へと成長するんです。
粗野なところは残っているので完ぺきな紳士ではありませんが、
正義感の強さは紳士以上だと思います。
ディエゴの娘エレナと恋に落ちていく過程が、またイイです。
ありがちな演出になっていますが、目を見て恋に落ちることって
ホントにあるかもしれないなぁと思える設定になってます。

エレナ役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズの美しさは、
ゾロの娘という設定にマッチしています。
ゾロが生まれて間もない娘に子守唄代わりに聞かせていた
自分の冒険談は、エレナの身体にしっかりと受継がれていて、
しとやかにしていられない彼女の活発さがそれを物語っているなぁと
感じます。バンデラスと並んだ時の凛々しさはキレイです。
この作品の主要人物のバランスの良さは、作品の出来にも大きく
関わっているなぁと思います。

宝塚で上演する義賊ものっていうか、ヒーローものって必ず
ムリが生じて疑問が残ることが多く、主人公も暗くなりがち
なんですが、この映画の2代目ゾロは明るくお調子者なところが
あって、兄の復讐を目的に持っているわりには前向きな青年です。
作品柄ジメジメした感じがないっていうのが、観ていて気持ちいい
ところだと思います。

大劇場のお披露目が1本もので、ちょっと重そうなので、
そのうちには、こういうヒーローなわたるくんも楽しみたいなぁと
思ってます。
王子様系よりはヒーローものの方がわたるくんに合うと思うし(^^)。
是非是非、わたるくんで観たい作品です。






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