2003

渋谷から出た電車が山手線を横切りカーブを越えるとき、その街のシンボルともいえる煙突が忽然と見えました。そして電車は森を横切り代官山に到着します。当時のワタクシは代官山の向こう、トンネルを抜けた先の世界に興味はありませんでした。(結局住まう事になる中目黒、大好きな人のいた新丸子。)ワタクシにとっての東横線は代官山のトンネルが終着駅でした。

森へ到る終着駅だったのです。

2003/3/1

 

ずぅっと昔、Kanaそんな夢を見たことがありました。その街に出会うずっと前。初めて東京で団地というものを見た頃から、ずっと、引っかかっていた言葉。

あの日その場所に来てKanaは夢見た場所が本当に実在する事を知りました。

八月の暮れ、暑い夏の日、階段と緑と迷路のような古ぼけた団地群。噎せ返る草木の匂いとお焼香の香り。汗と土とほこりと虫と、そして寂れたけれどもどこかモダンな香りのする閉鎖に向かう歴史的建築物たち。

この街はセミの声と共に終わるのだと、その時Kanaは思いました。

夢の中のその場所をKanaは密かに「団地迷宮」と呼んでいました。その日その場所が実在する事を知り、そして同時にその場所が夢に帰ることを知ったのです。

 

 

案内図(はじめてのかたはこちらへ)

回覧板(topです)

同潤会代官山アパートメントについて
(このサイトのイメージです。興味があれば)