リリーフランキーの「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」を映画化したものを、やっと見に行ってまいりました。思えば、去年秋、東京タワーに行って、そのポスターを見たときから、ずっと、ずっと待ち望んでいた映画なのです。 
                 
              脚本:松尾スズキ。 
                主演:オダギリジョー。 
                おかん:樹木希林。 
                若い頃のおかん:内田也哉子(樹木希林の娘)。 
              オトン:小林薫 
              そうそうたるメンバー。期待しないというのが難しいのです。 
                この映画は、原作を読んでいないヒトはどう、受け止めるのでしょうね。 
                これは、誉めコトバです。Kanaは原作にもう、めろめろで、映画を見ているだけで、無条件に泣けてくるのです。イメージ通りの映像、空間の匂い。樹木希林と内田也哉子の母親の表情。それだけで、ココロ鷲づかみです。 
                この話は東京に弾き飛ばされ 
                故郷に戻ってきたオトンと、 
                同じようにやって来て、帰るところを失ってしまったボクと、 
                そして一度もそんな幻想を抱いたこともなかったのに 
                東京に連れてこられて、戻ることも帰ることもできず、 
                東京タワーの麓で眠りについた、 
                ボクの母親の、小さな話です。 
                というコトバではじまる映画は、全てがここに集約されています。 
                原作はリリーフランキー。ほとんど自伝のような小説ですが、 
                映画ではむしろ、母親の視点や、優しさを感じることが出来ます。これは、脚本というよりも、むしろ純粋に、樹木希林と内田也哉子の母親としての演技のレベルの高さ、華やかさ、ボクに対する愛情の深さではないかなと感じました。 
                もう何も言わずに見に行って欲しい。とくに男性は絶対見ておく映画だと思った次第であります(もちろん原作も)。原作のよさを失っていない稀有な映画だと思います。 
                http://www.tokyotower-movie.jp/ 
                   |