グレゴリーコルベール展に行ってまいったのであります。

場所はお台場。特設のノマディック美術館。人と動物の魂の交歓を謳った写真と映像の展覧会です。写真が綺麗だったので、少しの期待と、それ以上のものを感じれるのかという不安と、同居していたのですが、…心の中にあったもやもやが、ああ、やっぱりなというものでありました。
斜め目線でみるので、どうしてもあざとさ目に付くのですが、
一般の人にはとっても新鮮なイベントなのではないでしょうか。
写真は本当に美しいのです。
ただ、Kana的には、オランウータンと手を取り合って語らっている"風"の映像を魂の交歓とは思いませんし、鳥といっしょに踊っている女性の映像も、何十カット撮ったのだろうと思わずに入られません。悠久の草原の中にひざをつく象も、どれだけの演技指導をされているのだろうと、「はい、そこで立って後ろ向いて去っていって」とか言われてるんだろうなと、そんなことが気になってしまうのです。あえて、映像ではなくて、写真だけのほうが美しかったかもしれません。、あと映像に思わせぶりな詩は要りません。
踊る現地人、砂漠の中で風に身を任せる豹と老人と少女。象に本を読む少年。朽ち果てた本。…瞬発の驚きや美しさはあるのですが、どうしても、飽きる感じがあるのは深みがないからでしょうか。(あの本に何を書いているとか、そういうことが気にならない、いかにも朽ち果てた本でした)
祈りや踊りはパフォーマンスであって真の精神性を感じないのが原因かしら?芸術というよりはデザインに近いものを感じました。。
お友達の端的な言葉を借りるならば「『ようこそ!グレゴリーワールドへ』みたいな。」
この展示会で見えたイメージは…目に見える形での、動物たちよ、手と手を取り合っていこうよ。的な、人間の尺度に動物を取り込もうとしている感じは、やはりアメリカの感じ…デフォルメしたら行き着く先はノアの箱舟か、ディズニーランドかしら。
あとこの映像の「CGや合成を一切使っていない」というのが非常にうそ臭くて…そういう仕事に携わっているとなおのこと…してないにしても、相当な補正をしているだろうなと。
文句ばっかりたれてしまいましたが、写真はいいよ。立ち止まって見入ってしまうの写真は、被写体の美しさに対するものが多いけど。あと、判茂の設計した156のコンテナからなるノマディック美術館の建築は美しいです。
http://www.ashesandsnow.org/jp/tokyo.php
|