武道館でBECKのコンサートがあり、チケットが余ったのでつき合わせてもらいました。
……圧倒的センス。
Beckはミュージシャンの名前で、ロックバンドです。
彼と3人の相棒の4人で組まれているんですけれども、ナニが凄いかって、
彼らが歌って踊っている後ろの画面に大映しで映し出されているのは、ライブでありがちな彼らのアップ画面ではなくて、彼らと同じ動きをする操り人形のアップ画面なわけで…
一瞬意味わかんないでしょ?
ライブと同じセットで4人を模した操り人形がPVさながら、実際の彼らの演奏に合わせて歌って踊る!!最初、別撮りしたものを流しているのかと思っていたのだけれども、あまりにもタイミングが綺麗なので、よ〜く見てみると、ドラムの後ろに人形劇を操るスペースがあって、そこで人形達が実際のライブと同じ動きをして、その人形を何台かのライブカメラがずっと追っているという、すごく高度なセンスを展開しているわけで。
実際にライブをやっている本人達は一切撮らないで、人形だけを撮っていて、そしてダンス担当がいるのですが、彼の踊りが逆に人形っぽい振り付けで
この入口でもう、やられまして、そこから怒涛のごとく、ハイレベルな演出の数々がKanaを狂わせるのです。
ライブ中カントリー風な曲をBeckがソロでやっているとき、残る3人がステージに木製のテーブルとお皿とワインとそろえて、西部風のお食事会を始めるのだけれども(もちろん人形も同じ事をはじめるんですよ)、徐々お皿やグラスをたたいたり鳴らしたりして楽器に変わっていって、テーブル全体を楽器にして盛り上がっていったり(もちろん人形も盛り上がるんですよ)
途中で人形がカメラもって表に出てきて演奏している本人を撮ったり(人形の撮った映像が背景に大映しにされつづけるのですが)
挙句の果て、武道館入場のシーンを人形で撮っておいてそれを挿入したり、
ライブというより、ものすごくレベルの高い、芝居やエンターテイメントを見ているような。衝撃的でありました。
ただ、残念なことは、そのあまりにもすばらしい演出の数々のせいで、曲がどんなものだったか(ノリノリで大いに盛り上がったのだけれども)あんまり思い出せないんですよね。
次来たら絶対いくと断言できるくらい、7800円以上の価値のあるコンサートだったと思います。
コンサートとアンコールの間にbeck人形が「公演までに少し休んでいよう」っていって「beckuzira」(Beckとゴジラとかけています)になって街を破壊する夢をみるという(動きはサンダーバードを髣髴とさせる)ショートフィルムには脱帽です。 |