製作の合間をぬって、コマチ姉さまと現代美術館に行ってまいりました。
ネオ・トロピカリア|ブラジルの想像力
…コマチ姉さま曰く、「ブラジルのアーティストは、注目する人が多い」との事、あなた自身がアーティストなのはわかるけれども、本当にバレエから、アートから精通しているわね。そんなわけで、まるで、キュレーターに案内されるように、Kanaは未知のブラジルアートの世界に旅立ったのでした。
姉さまと、Kanaは結構、見るモノの好みが近いので、語るとき非常に楽であります。多くの作品に関しては語りませんが、
リヴァーニ・ノイエンシュヴァンダーの「作業場/会話と構築」
輪切りにしたたまねぎをクシでピラミッドみたいに立てていったり、細かい角切りにした、にんじんをキレイに並べていったり、ウェハースをバターでレンガみたいに組んでいったり…そんな写真が16枚並んでいます。食事に飽きた、子供のいたずらのようですが、実はそれぞれの写真は、実際にある有名な建築物の形になぞらえているのです。
マレッペ「雲を食べる」
綿菓子を食べるおじさんを真下から6枚の連続した写真で撮影っているのですが、空に向けてカメラを構えているため綿菓子を食べる姿が雲をたべているように見えます。おじさんのでっぷりした、不細工感や、綿菓子が丁度太陽の手前にあって、うまく雲に見えるように撮っている繊細さとユーモアがステキです。
リジア・パペ「Ttea 1,C」(←小文字のeの上に「'」が付きます。)

(展覧会公式サイトより)
ものすごい細い1本の金のワイヤーを床から天井に何度も張り巡らせています。暗い部屋の中で、真ん中だけに光りを当てているため、まるで、四角い箱が2つ、宙に浮いているかのように見えます。細いワイヤーの組み合わせなので、影なども無く、まるで、昔のパソコンのワイヤーフレームを生で見ているようです。見た瞬間思わず、声を上げてしまう、不思議な美しさです。
エルネスト・ネト「リヴァイアサン・トトー」
白くて巨大な布にビーズを詰めた、雨だれのような形状のオブジェが、たれかけのミルクのように天井からいくつも下がって森のようになっています。その高さが三階分くらいあります。そして、巨大なのに、柔らか。天井付近は非常に複雑な形状で、砂の袋とビーズの袋の重さの差でバランスをとっています。
圧倒的な大きさです。これは、見るべき作品です。
他にも、これは!!って思わされるアーティストの多いこと。恐るべしブラジル。…、そして、こんなにすごい展示会なのに、現代美術館は駅から遠いこともあって、とっても人が少ないのです。(宣伝もあまり見ないしね…)もったいない…。
これは、だまされても行って見るべき展示会だと思います。必ず、自分好みの作家に一人は出会えるのではないでしょうか。
同時に「守山大道 ミゲル・リオ=ブランコ写真展共鳴する静かなまなざし」展もやっていて、見たのですが、…こっちは別に…普通でした。ごめん。
それよりも、常設展のほうが、心憎い作品が多かったので、もし、現代美術館に行った際は、常設展も是非よってみるべきかと。
…胸に、ミッキーのロゴをあしらった、鎧武者が、機械仕掛けのマンモスの上にのっているヤノベケンジの「ミッキー・ザ・ナイト」のナンセンスさがサイコーで…島袋道浩や奈良美智の作品も置いてありました。
久々に、良いものを見ました。
ネオ・トロピカリア|ブラジルの想像力
10/22-1/12(月曜休館)
10:00-18:00
美術館を三時間ほど歩き回っただけなのに、次の日足が痛いKanaは一体…。
|